MENU

測量士試験の合格率と難易度を徹底解説|独学での対策法やおすすめ参考書も紹介

測量士

測量士とは、国土交通省が所管する国家資格で、地形や土地の位置・面積などを正確に測るための測量業務を実施・管理できる専門家です。都市開発やインフラ整備、不動産取引など、あらゆる場面で欠かせない役割を担っています。

この資格には「測量士」と「測量士補」の2種類があり、この記事ではそのうちの上位資格である「測量士」に焦点を当て、合格率難易度、独学の可否、対策方法などを徹底的に解説します。


目次

1. 測量士試験の概要

1-1. 測量士試験とは?

測量士試験は国土交通省所管の「国家試験」で、年に1回、例年5月に実施されます。合格すると、国土地理院に登録することで「測量士」として業務を行うことが可能になります。

測量士は以下の業務を担います。

  • 測量業務全体の計画・管理
  • 作業規程の制定
  • 測量結果の検査・精査
  • 測量士補や作業員への指導

つまり、測量チームのリーダー的立場にある資格です。

1-2. 測量士補との違い

項目測量士測量士補
試験難易度高い(専門性が高い)やや易しい(基礎中心)
試験実施主体国土地理院国土地理院
独立・開業可(法人設立も可能)不可
実務経験要件不要(合格後すぐ登録可能)測量士の監督下で従事可能

2. 測量士の合格率の推移と傾向

測量士試験の合格率は、毎年10%前後で推移しています。以下は直近5年のデータです。

年度受験者数合格者数合格率
20233,024人298人9.9%
20223,567人322人9.0%
20213,812人345人9.1%
20204,120人401人9.7%
20194,525人453人10.0%

【ポイント】

  • 合格率は安定して10%前後
  • 合格者数も例年300〜400人程度
  • 難関資格の部類に入るが、努力すれば届く

3. 測量士の難易度は?他資格との比較

測量士の難易度は、数字上の合格率だけでなく、出題範囲の広さと記述式中心の問題構成が難しさの要因です。

難易度比較(参考)

資格名合格率難易度
宅地建物取引士約15〜17%中〜やや難
測量士約9〜10%
行政書士約11〜13%
土地家屋調査士約8〜9%非常に難

難しさの要因

  • 工学・数学的要素(幾何学、測量法)
  • 法規も出題(測量法、地図整備法など)
  • 一部記述式(論文問題あり)
  • 過去問だけでは対策が不十分

4. 測量士試験の出題科目と配点

試験は1日で完結し、科目数は2つに分かれます。

【午前】多肢選択式(4択)

  • 測量全般(基準点測量、写真測量、地理情報など)
  • 法規(測量法、基本測量法、国土調査法 など)
  • 計算問題・数式も含む

【午後】記述式(論述)

  • 主に測量の技術的知識や管理に関する記述
  • 800字〜1000字程度で論述

合格基準

  • 全体で6割以上(年度によって調整あり)
  • 午前・午後ともバランスよく取る必要がある

5. 測量士は独学で合格できるのか?

結論から言えば、独学でも合格可能ですが、以下の条件が揃うことが望ましいです。

独学合格に向いている人の特徴

  • 数学・理系科目に抵抗がない
  • コツコツ学習を積み重ねられる
  • 論述問題にある程度慣れている
  • スケジュール管理が得意

注意点

  • 過去問の分析力が必要
  • 専門的な内容が多いため、参考書の質が重要
  • 論述問題の添削が受けられないのは痛手

6. 測量士試験の勉強時間とスケジュール目安

勉強時間の目安

  • 文系出身者:約500〜600時間
  • 理系出身者:約400〜500時間
  • 測量士補所持者:約300〜400時間

スケジュール例(6ヶ月プラン)

月数やること
1〜2ヶ月目基本テキストの精読+要点まとめ
3〜4ヶ月目過去問演習+午前問題対策
5ヶ月目記述問題の構成練習+法令暗記
6ヶ月目総復習+模試で本番形式の練習

7. 測量士試験のおすすめ参考書・問題集

独学者にとって、良書の選定は命です。以下に高評価の書籍を紹介します。

基本テキスト

  • 『測量士受験100講』(日刊建設工業新聞社)
     →測量士試験のバイブル的存在。解説が丁寧。
  • 『新・測量士合格ノート』(技術評論社)
     →重要事項を簡潔にまとめたサブ教材として有効。

過去問

  • 『測量士試験問題集 過去10年』(オーム社)
     →解説付きで繰り返し学習向け。
  • 『測量士過去問スーパー解説』(建築資料研究社)
     →出題傾向を分析した詳細な解説付き。

8. 測量士の活躍フィールドと将来性

活躍フィールド

  • 測量会社
  • 建設・土木系企業
  • 地図製作会社
  • 国・自治体のインフラ部門
  • 独立・フリーランス(※要実務)

将来性

  • インフラの老朽化に伴う更新需要
  • スマートシティやGISの拡大
  • ドローン・3D計測の台頭による専門家需要

土地や空間に関する需要は不変であり、今後も測量士の専門性は重宝される分野です。


9. 測量士になるメリットと年収の実態

測量士のメリット

  • 国家資格としての社会的信用
  • 土木・建設業界でのキャリアアップ
  • 独立・開業も可能
  • 地方でもニーズが高い

年収の目安

勤務形態年収帯
測量会社勤務350〜600万円
大手ゼネコン系500〜800万円
独立・法人経営800〜1200万円以上も可能

10. まとめ:測量士はコツコツ型の人に向いている!

測量士は「合格率10%前後」と難易度の高い資格ですが、出題範囲が明確で、正しい教材と学習方法を押さえれば、独学でも十分合格を目指せる資格です。

  • 測量士試験は記述・計算・法規とバランスよく出題
  • 合格率は安定して10%前後、しっかり対策すれば合格圏内
  • 参考書選びと継続力が合格の鍵
  • 測量士は将来性・年収・独立性にも優れた資格

「理系でなくても努力で勝ち取れる資格」を探している方にとって、測量士は非常に魅力ある選択肢です。コツコツと学習を積み上げて、確かなキャリアを築きましょう。

目次